若さしか取り柄がない!

若さしか取り柄がない女子大生もとい社会人が、語ったりスベったりするブログ

眉毛育成協議会

眉毛というのは、女性にとってなかなか厄介なものである。あらゆるメイクに関する事柄の中でも、眉毛にまつわることは多くの人を手こずらせているようだ。

 

もちろん私も例外ではない。進撃の巨人の奇行種似ではあるが、一応生物学上女性に分類されるので、人に会うときは顔面に盛大に塗り絵をして出かけている。顔面ペインター歴数年ともなれば、ほとんどの部分はそこそここなれてくるものだ。しかし、筋金入りの群を抜く不器用のせいもあって、眉毛はいまだにうまくいかないことが多い。

 

長らく、私の眉毛は一般的な細眉の範疇に収まっていた。少し前に空前の太眉ブームがあったが、太眉が私の垢ぬけない目鼻立ちとコラボした場合、限りなくオッサンに近似することは明らかであったので、流行りに乗りたい気持ちを抑え、断腸の思いで眉毛を剃り落とし続けていたのである(しかし不器用なので、我が眉毛が行儀よく左右対称になったことはほとんどなかった。微調整を重ねすぎて眉毛がほぼ縦幅を失った結果、安室奈美恵になりたそうなオッサンが鏡に映っていた日もある)。

 

I HAVE NEVER SEEN

 

さて、私の眉毛にはそんな歴史があるのだが、とある疑問が頭を掠めるようになったのは1週間ほど前のことであった。

 

自分の眉毛って、もともとどんな感じだったっけ?

 

私はふと気が付いた。長らく眉毛を剃り続けていたので、オリジナルの形や太さをすっかり見失っていたことに。それと同時に、私はこんな恐怖も抱くようになった。

 

もしかして、剃り続けた部分はもう、ちゃんと生えてこないんじゃなかろうか?

 

アマゾンや東南アジアでは、過度の伐採によって熱帯雨林が失われているらしい。もし、眉毛も過度の伐採で永久に失われることがあるならば、私の顔面の環境問題に直結する由々しき事態である。

 

目の上が砂漠化する前に、事態を確かめなければならない。

 

ちょうどこの時期は、学期の終わりで授業もなく、知り合いに会うことはほどんどない。眉毛を栽培するにはうってつけの時期である。私はその日から、眉毛を剃ることをやめた。

 

 

眉毛栽培を開始して2日ほど経つと、剃った部分が青くなってきた。さながらツンドラの高原といったところだろうか。しかし、ここまでは想定内である。今までは、こんなふうにわずかに芽生えた眉毛たちを、容赦なく剃り落としてきたきたのだなあという感慨に浸った。

 

4日目になると、眉毛たちは剃られないことを悟ったのだろうか、のびのびとその体を伸ばすようになった。その茂り具合は、河村隆一が佇んで歌っていそうな草原といったところである。私は、眉毛部分が不毛の地になっていなかったことにすっかり安心していた。

【PV】 河村隆一 / Glass

 

 6日目。眉毛栽培は順調に進み、私は自分の懸念が杞憂だったことを確信していた。私の眉毛の生命力は、思った以上に強かったのだ。そうだ、若いってなんて素晴らしいのだろう。剃ったところで、眉毛が生えなくなることはないんだ。どんなに造形に失敗しても、またいくらでも取り返せるし、何度でもやり直せる。眉毛とは、そういうものなのだ。

 

 

さて、今日は眉毛を育て始めて7日目にあたる。そして、今の私は非常に落胆している。「眉毛が剃ってもなくならないのは、ムダ毛をいくら剃ってもなくならないのと同じ理論である」ということに気付くのに、1週間もかかった事実に。