若さしか取り柄がない!

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見世物小屋のリテラシー

ネットニュースというのは結構暇つぶしによくて、ヤフーのトップページなどを延々と見てしまうことがしばしばある。有象無象のすぐ忘れるようなニュースも多いし、芸能ゴシップにすごく興味があるわけでもないのだが、ゆえに入り込みすぎることもない。だから、暇つぶし程度に見るのにはぴったりなのである。

 

そんなヤフーニュースだが、ニュースサイトとしての質は、控えめに言っても高いとは思えない。まず第一に、誤字脱字が異様に多い。ツールに1回かければすぐ出てくるような、ほんの簡単な間違いさえも直さずに出してくる。例えば、つい最近出ていたXのYOSHIKIに関する記事もなかなかのものだった。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

英語記事から早急に訳しているのだろうが、それにしても見出しの見分けづらさといい、句点のとっ散らかり具合といい、なんだかすごいことになっている。句点を2つ重ねとは、サーティワンばりのサービス精神である。

 

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しかし、ネットニュースを見ていて、個人的に誤字脱字よりもっと気になる点がある。それは、釣り目的の記事タイトルの多さだ。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

いや、キレてないっす。大泉洋キレてないからね、読めばわかるけど。しかしクリックさせるのが第一なのだろう、こういう見出しをつけた記事はとても多い。嘘とは言えないギリギリのラインを突いた「釣り見出し」は、もちろんヤフーニュースに限らず、お堅いネットメディア以外ならたいていどこでも見かけるのではないだろうか。

 

ところで、こんなタイトルをよく見るようになって思い出すのが、かつてはどこのお祭りにもあったという「見世物小屋」のことである。

 

見世物小屋というのは、一言で言えば奇形の人とか、グロテスクなパフォーマンスとか、とにかく雑多な類のものをお祭りなどで展示する興業だ。私含め若い世代にはほとんど馴染みがないが、その独特なアングラ感には、確かに一種の魅力があるかもしれない。

 

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さて、そんな見世物小屋の目玉だったのが「大イタチ」である。しかし、この文字を見て本当の大きなイタチを期待してはいけない。なにせ中に入ってみれば、そこにあるのは血の付いた大きな板、「大板血」なのだ。もちろん、先の写真にある「ヘビ女」とか「首狩り族」も同様で、聞いてイメージするようなものは出てこない。好奇心を刺激して客寄せをし、一種トンチのようなやり方で客の納得を取りつける手法は、ネットニュースの釣りと通じるものがある。

 

しかし、見世物小屋はそれでも商売として成り立っていた。その背景の一つには、そういう落差まで含めて娯楽として受け入れられていたことがあるだろう。実際、お金を払ってこのようなものを見せられても、本気で腹を立てる人はあまりいなかったらしい。それを思うと、そこまで含めて一つの様式美なのではないかとさえ感じられる。

 

そう考えると、日ごろネットニュースに触れる人間としては、見世物小屋の客のようなスタンスを持っていても損はないと思う。政治や経済のニュースならともかく、芸能ゴシップなどには、もっと精神的に遠巻きになってもいいのではないだろうか。釣られたら釣られたで笑えばいいし、驚くような内容だったら儲けもの、そんなくらいがちょうどいいと、最近感じるのである。